『百円の恋』は安藤サクラさんなしには語れない!魂こもる演技に魅了される作品
足立佑介です。
安藤サクラさんは本当にすごい女優さんだと心底思いました。安藤サクラさんの作品は『万引き家族』で初めて触れたのですが、2作ともいい意味で安藤サクラさんという感覚が全くなく、役そのもので立っている感じがします。どのセリフも、生きた言葉という感じがします。
『百円の恋』
2014年 SPOTTED PRODUCTIONS 監督:武正晴 出演:安藤サクラ、新井浩文他
万引き家族についてのブログはこちら
百円の恋では、自堕落な引きこもり生活を続ける一子(いちこ)を演じ、ひょんなことからボクシングに目覚め、成長・変化する女性を演じています。
冒頭では一子が背中をぼりぼりかきながら、ゲームをしているシーンがだらしない女性の印象を与えます。しかし、物語が進むにつれて一子がボクシングに打ち込み、目つきから体つきまでその姿はアスリートさながらです。
映画の冒頭と終盤では、一子が別人のように見えます。それもそのはずで、なんと撮影の為に役作りとして体重を増やした後に、10日間でボクサー級の体型にダイエットを遂げています。まさに女優魂の賜物です。
さらに驚くことに、この作品に出合う直前にサクラさんは芝居が出来なくなっていたそうです。
そこに、母親から「あなた、ボクシングの経験もあるし、この役って絶対サクラだと思うんだよね」と「百円の恋」のオーディションの新聞記事を見つけてくれたことが映画に出演するきっかけになりました。
結果として、監督からも安藤サクラがいなければこの映画は出来なかったと思う、と後に語る程の存在感を残しました。
安藤サクラさんは出会うべくして出会った作品なのかもしれません。
この映画は松田優作賞グランプリを始め多くの賞を受賞し、高い評価を得ています。
人は何かきっかけさえあれば、驚くほどに変化する可能性を秘めていると感じる作品です。魂のこもったこの映画をぜひ見てみて欲しいです。